民事訴訟における訴状、答弁書、準備書面、書証とは
訴状とは
訴状とは民事訴訟を提起する際に原告が第一審裁判所に提出しなければならない書面のことです。
なお、これに対し刑事訴訟で検察官が公訴を提起する際に裁判所に提出する文書は、起訴状と呼ばれます。
答弁書とは
答弁書とは訴えられた側である被告が訴状に対する応答を書いた書面で、争いがある場合はっきりと反論を書き、その他にも言い分がある場合はそれも書きます。
準備書面とは
準備書面とは当事者の主張を書いた書面です。
原告は答弁書に対する反論を準備書面(原告第1準備書面)に書いて提出し、被告はさらにそれに対する反論があれば準備書面(被告第1準備書面)に書いて提出・・・といった具合に続きます。
準備書面は口頭弁論期日や弁論準備期日と関係なく、裁判所を通して原告と被告の間を行き来できますが、一般的な提出期限とされる次回期日の1週間前まで時間をかけて書かれることが多いようです。
また、法廷での弁論においてその多くは陳述の内容を全て準備書面に記載し、「準備書面記載の通り陳述します。」と述べるにとどまります。
つまり、準備書面をきちんと作成するのは(弁述が立つことよりも)かなり重要なことなのです。
参考:弁論準備手続
裁判所が争点と証拠の整理を行うため必要があると認めるとき、当事者の意見を聴いたうえで弁論準備手続に付することができます。
弁論準備手続は通常、法廷以外の準備室、和解室などで行われます。原則非公開で、裁判所が認めた者だけが傍聴することができます。
公開の法廷ではない場所で、裁判官と弁護士や当事者だけのやりとりとなり踏み込んだ話もしやすいため、話し合いによる解決(和解)を目指す場合に向いています。
この手続きが行われる日を弁論準備期日といい、準備書面や書証をこの期日に向けて提出します。
書証とは
実務上は、裁判所の証拠調べの手続きの目的となる文書自体のことで、例えば契約書や領収書などです。
法律上は、裁判所の証拠調べの一類型であって、文書の意味内容を証拠資料とするために収得する手続きをいいます。
民事訴訟の場合、原告が提出する書証を甲号証といい、被告が提出する書証を乙号証といいます。
書証は甲第1号証、甲第2号証・・・というように提出順に番号をつけます。