成年後見人等のルール

家の模型と天秤と小槌

成年後見制度を利用すれば、判断能力が低下した人を守れるというメリットがあるのですが、これまで法律行為を自分で行ってきた人が被後見人等になってしまうと、家族や関係者にはこのしくみのデメリットが見えてくることがあります。

事務報告の義務

後見人等は家庭裁判所の監督のもと本人の財産を管理し、定期的に家庭裁判所へ報告する義務があります。

報告書の内容はこのようなものです。

  • 本人の近況などを記した事務報告書
  • 現金預金などの残高を記した財産目録
  • 前回の報告より収支の変化がありそうなときは収支予定表
  • 金額の大きな出費があったときは、領収書のコピー

適切な財産管理

財産を適切に維持管理することが必須であるので、財産に担保を付けたり、投機的な運用をしたり、他人に財産を贈与したり貸付けたりはできません。
たとえ後見人等が、本人や本人の親族のためだと思っても、財産の投資や相続税対策の生前贈与などはできないのです。
当然ですが、成年後見人等は本人の財産を成年後見人等自身の利益のために流用してはなりません。

また、本人の希望であっても、「適切な財産管理」にそぐわないこと(高額な出費など財産上のリスクを伴うこと)は、家庭裁判所に問い合わせをし、OKが出れば別ですが、基本的に叶いません。

(成年後見制度では、「本人」とは被後見人等のことを指し、被後見人等とは被後見人・被保佐人・被補助人のことを言います)

発効した任意後見制度でも、考え方は同じになります。