合同会社の業務執行社員と代表社員
合同会社で社員とは出資者のこと
合同会社で社員といえば従業員ではなく出資者のことで、株式会社でいう株主のイメージです。
社員は原則として全員が業務執行権(会社経営権)と代表権(対外的な行為をする権利)を持っています。(会社法第590条第1項、第599条第1項)
社員が1人のときは、その人が業務執行社員かつ代表社員となります。
個人が業務執行社員や代表社員になったときの登記事項
合同会社の登記事項に含まれるのは、業務執行社員の氏名と、代表社員の氏名及び住所です。
業務執行社員や代表社員について定めなければ、社員全員が業務執行社員かつ代表社員として登記されます。
社員の中から業務執行社員を選ぶ
社員が複数の場合、出資はするが会社経営には携わりたくない人もいたりします。
そんなときは、社員の中から業務執行社員を選ぶ旨を定款で定めることができます。(第591条第1項)
業務執行社員以外の社員は、配当を受ける権利や業務執行社員を監視する権利を持ちますが、会社の経営には当らず、登記もされません。(第591条、第592条)
合同会社の代表社員になるには
業務執行社員は選ぶが、代表社員は選ばないでいると、業務執行社員全員が代表社員になります。(第599条第2項)
しかし、業務執行社員全員が代表社員になると、対外的な窓口についての混乱が起きることも考えられます。
そんなときは、代表社員を定款、又は定款の定めに基づき社員の互選によって、業務執行社員の中から選ぶことができます。(第599条第3項)
その場合、他の業務執行社員は、業務を執行しますが会社を代表することはできません。(第599条第1項)
法人が合同会社へ出資して社員であるとき
法人も合同会社に出資して、社員となることができます。法人が業務執行社員である場合には、その法人が、実際に業務を行う職務執行者を選任します。(第598条第1項)
また、代表社員を法人とすることもできます。この場合もその法人が職務執行者を選任します。
これら職務執行者は、法人の役員や従業員以外にも社外の第三者、たとえば弁護士等でもかまいません。
職務執行者は、株式会社であれば取締役会や、持分会社であれば社員による議決などにより選任されます。
法人が業務執行社員や代表社員になったときの登記事項
法人が業務執行社員になったときは、法人の名称を登記します。
法人が代表社員になったときは、法人の名称及び住所を登記し、かつその法人にかかる職務執行者の氏名及び住所も登記事項となります。