後見制度支援信託とは

ビル街にある銀行

専門職後見人は親族後見人へ引継ぎ後辞任するので、報酬支払いは1度限り

後見制度支援信託を利用する例として、家庭裁判所へ成年後見開始の申立てをし、親族後見人が選任されるとき、後見制度支援信託の利用の意思の有無を確認されることがあります。

後見制度支援信託の利用を選択すると、まず専門職後見人が選任され、一定の手続きを経て、信託銀行等に本人の金銭が信託されます。その後親族後見人が選任され、決められた金額だけを親族後見人が管理していくのです。

信託銀行等との契約締結が終了すると、専門職後見人は成年後見人の辞任許可及び報酬付与の申立てを行い、審判が決定すれば本人の財産から報酬を受取り、親族後見人に財産を引継ぎます。
専門職後見人が辞任後には当然ながら、専門職後見人に対する報酬支払いはありません。

後見制度支援信託が利用できるのは成年後見だけで、保佐、補助は利用できません。

後見制度支援信託の要点

専門職後見人から親族後見人へ、財産管理を引継ぐ

当初には専門職後見人がつきますが、関与が終われば辞任し、財産は親族後見人に引継がれます。

親族後見人が手元で管理する財産について

後見制度支援信託で親族後見人が管理できる財産は、専門職後見人と家庭裁判所によって設定されます。

入院費用や施設入所一時金など、臨時出費が必要なときは、家庭裁判所から指示書の発行を受けて信託財産の一部を払い戻します。
不動産の売却などによる臨時収入があった場合、家庭裁判所から指示書の発行を受けて追加信託をする場合があります。

参考までに、後見制度支援信託と家族信託を比較すると、家族信託は信託契約に従い、受託者の判断で信託財産を払い戻すことができます。