株式会社設立後、年金事務所に対する手続き

数十枚のユーロ紙幣を背景にした可愛らしいおばあさんの人形

年金事務所には、健康保険と厚生年金に関する手続きをします。
厚生年金保険、健康保険、介護保険をまとめて一般的に「社会保険」といいます。

法人は強制適用事業所なので、一人会社で従業員がいなくても、健康保険・厚生年金保険の加入が必要です。
原則70歳以上の人は、健康保険のみの加入となります。

ただし、法人でも無報酬の役員しかいないなど被保険者となる者がいない場合は、適用事業所の要件を満たさないため、健康保険・厚生年金保険の適用を受けることができません。
(その場合の無報酬の役員は、国民健康保険と国民年金へ加入します。)

令和4年4月以降、被保険者資格の取得手続きをとり、初めて年金制度に加入する人は、年金手帳のかわりに「基礎年金番号通知書」が発行されます。

健康保険・厚生年金保険に関する届出書

届出書添付書類提出期限
健康保険・厚生年金保険新規適用届*登記事項証明書
*法人番号指定通知書などの写し
会社設立から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格届出書*原則としてなし被保険者資格を取得してから5日以内
健康保険被扶養者(異動)届*続柄確認のための書類
*収入条件確認のための書類
*その他必要な確認書類
被保険者に扶養家族がいる場合、被保険者資格を取得した日から5日以内

会社の健康保険と国民健康保険

国民皆保険制度のもとでわが国の健康保険は、会社の健康保険・公務員や私立学校の教員などの共済組合国民健康保険に分かれます。
会社の健康保険はさらに、組合健保協会けんぽに分かれます。

組合健保とは

正式名称は組合管掌健康保険です。

単独の企業(おおよそ大手である)が設立する単一健康保険組合、または同業種で複数の企業が共同して設立する総合健康保険組合が保険者となります。

協会けんぽとは

正式名称は全国健康保険協会です。

協会けんぽは、国が運営してきた健康保険事業(政府管掌健康保険)を引継ぎ、平成20年10月に健康保険法に基づき設立された特別民間法人、全国健康保険協会が保険者となります。
主に中小企業で働く従業員やその家族約4,000万人が加入している日本最大の医療保険者です。

どの健康保険組合に入るべきか

会社を設立すると、健康保険に加入する義務があり、組合健保(単一・総合)と、協会けんぽのどちらかを選ぶことになります。

組合健保に入る

組合健保のうち、単一健康保険組合すなわち自社だけで健康保険組合を設立するのは起業したばかりでは無理なので、まず選択肢から外します。

組合健保のうちのもう一方、同業種の複数の会社で組織されている総合健康保険組合に入れるのなら、それも選択肢になりますが、条件によって加入できないこともあります。
加入する場合は、けんぽれん(健康保険組合連合会)のHPにある健保組合検索から、業種を指定して該当する総合健保組合に直接問い合わせます。

協会けんぽに入る

協会けんぽは窓口が手続きごとに、年金事務所と協会けんぽの各都道府県支部に分かれています。
新規適用届・被保険者資格取得届・健康保険被扶養者(異動)届などは年金事務所へ提出します。

協会けんぽの各都道府県支部では、健康保険の給付の手続きや相談等を行っています。