判断能力の低下

スマートフォンを持つ老人

認知症になる人の割合は増加すると予測されている

厚生労働省新オレンジプラン関連資料によると、高齢者の約4人に1人が認知症の人またはその予備軍です。高齢化の進展に伴い、認知症の人はさらに増加。2012年(平成24年)462万人(約7人に1人)から2025年(令和7年)700万人(約5人に1人)と予測されています。

一般に、高齢になるほど認知症になる割合は高くなります。

ますます身近に迫る認知症に、どう備え、どう対応すればいいでしょうか。

判断能力が十分でない人を保護するために

行為能力という法律用語があります。これは、自分で行った法律行為の結果を確定的に自分に帰属させる能力のことです。
制限行為能力者という用語もあります。これは、法律行為が無効になったり、法律行為を後で取消せたり、特定の誰かの同意がなければ有効にならない人のことです。

未成年者と、判断能力が低下している人、具体的には成年被後見人・被保佐人・被補助人・(発効後の)任意後見契約の本人がこれに当たります。

認知症や、精神の障がいのために判断能力が低下した人が、他人に騙されたり勘違いしたりして損害を受けないよう、保護し支援するしくみがあり、それを成年後見制度といいます。
本人についての法律行為において、成年後見人等が代理したり、成年後見人等の同意を必要としたり、成年後見人等が取消せたり、そんなことが決められています。

ただ、「代わりに何でもやってあげる」のではなく、本人の意思を尊重し残存能力を活かしながら、ノーマライゼーション(高齢者や障がい者なども特別視することなく皆が同じように生活していくこと)を目指している制度なのです。

なお、親権者の死亡などにより親権者が不在となった未成年者を法律的に保護し、支えるための制度は、未成年後見制度です。