自己破産の手続きを司法書士に依頼する
依頼先は司法書士か弁護士か
両専門職の違いは、
報酬額の大小
比較すると、司法書士のほうが費用が安くなります。
代理権の有無
破産の申立てについて、司法書士に代理権はありません。
認定司法書士は140万円以下の簡易裁判所代理権を持っていますが、破産の申立ては地方裁判所なので、債務額が140万円以下であっても申立代理人にはなれません。
同時廃止事件と司法書士
破産事件のうち約9割は同時廃止であるといわれますが、同時廃止は書類での審査と審尋という裁判官の面接で手続きが進行します。
裁判所からの連絡先も、書類作成した司法書士となります。
実務上、司法書士が関わることにより書類作成に不備がなければ、審尋はあまり行われません。
書類作成のみであっても司法書士は、申立てから事件終了まで、法的アドバイスを通じて申立人をバックアップします。
管財事件と司法書士
管財事件は自己破産の1割ほどといわれています。
裁判所が管財事件であると決定すると、破産管財人(弁護士)が裁判所により選任されます。
管財事件の場合は、書類での審査と裁判官の審尋の他に、債権者集会というものが行われます。
債権者集会
債権者集会に出席するのは、裁判官、破産者(破産者の参加は必須、その代理人弁護士も出席可能)、破産管財人、破産債権者(破産債権者は必ずしも参加しなくてもよい)
自己破産における債権者集会は、債権者が勢ぞろいして紛糾する、といった光景は一般的ではなく(銀行や消費者金融などの出席は多くなく、個人の債権者は出席する傾向)短時間で終了するものが多いです。
なお、債権者集会には書類作成した司法書士は出席できません。
本人申立ても代理人申立ても、神戸地裁では管財予納金はいずれも同額
東京地裁では違う扱い
東京地裁は、自己破産の管財事件を本人申立て(司法書士による書類作成含む)と代理人申立て(弁護士が代理人)に分けています。
本人申立ては管財予納金(管財人報酬)が50万円からとし、代理人申立ては管財予納金が20万円からです。
これは、司法書士に依頼した自己破産がもし管財事件だったら、20万円で済むものが50万円かかることがあるという意味です。
一方神戸地裁では、本人申立てと代理人申立てで管財予納金の額は変わりません。
司法書士に依頼した自己破産がもし管財事件であっても、20万円のものは20万円です。
管財事件になるのかどうか
破産のご相談に来られた場合、その事案が管財事件になりそうかどうかは、大体の見込みがつきます。
どうしてもご不安な場合は、弁護士に代理人申立てを依頼することもおすすめします。
法テラスを利用して破産の費用をさらに抑える
一定の条件を満たす方は、法テラスに自己破産の費用を立替えてもらうことができます。